ごんす

バービーのごんすのレビュー・感想・評価

バービー(2023年製作の映画)
3.4
バービー人形の思い出(長い、そして本編無関係)

妹が幼稚園児の頃リカちゃん人形で遊んでいたのだが親戚の子と遊んだ時に感化されたのかバービー人形を購入。
自分は当時ゲームボーイでポケモンを延々とやっていた小学生だったけれど妹や親戚の女子達の人形遊びが想像以上に楽しそうで羨ましくなり、まさかの自分もバービー人形が欲しいッ…!となってしまった。
しかし、突然女の子の人形が欲しいなんて言い出せず姑息にも親に「もう1体あれば家で妹と一緒に遊んであげられる」などと交渉したが却下される。
不貞腐れる自分にまわりの大人達から「おまえもバービー欲しくなったんじゃないの?」とからかわれ、は?いらねーし。は?と虚勢を張りつつも既に喉から手が出る程欲しいレベルに。

それでもゲームボーイ、ポケモンという当時最先端のエンタメを装備している小学生兄としてのプライドからついにバービーが欲しいとは言えなかった。
すると最終的に全然欲しくないケンという人形を買ってもらうという謎の結果に…
案の定すぐにバービーも興味が無くなり元々いらなかったケンは妹が回収。
バービーとケン、家にあったリカちゃんも交えて妹らは楽しく遊び自分もポケモンからFFやドラクエと移ろっていったのでした。
おしまい。

ここからようやく映画の感想。

グレタ・ガーウィグが監督じゃなかったらスルーしていたかもしれない本作。
過去作の『ストーリー・オブ・マイ・ライフ』も『レディバード』も大好きで観た時に凄く新しいものを観ているという感覚があった気がするのだけれど今回はその感じは薄かった気がする。

ノア・バームバックとグレタ・ガーウィグの共同脚本ということでこちらが勝手に一歩も二歩も進んだ価値観を提示してくるのではと期待してしまった。

冒頭の赤ちゃん人形破壊が面白く引き込まれる。
これまた思い出だけれど赤ちゃん人形でも妹は遊んでいたけどバービーやリカとどっちを先に遊んでたっけなぁと考えたが思い出せず。

笑える所も多いけれどやや自分の苦手分野のミュージカル要素が少なくなかったのと現実がそうだからだという考えも分かるけど改めて男女の二項対立みたいな構造を観せられるのが自分には難しかった。
男女両方とも描き方が思ったより単純だった気もする。

特に中盤から後半にかけて極端になっていって男社会に対する憤りを女性に台詞による独白で語らせてしまって今これをやる意味って…と少し思った。
広い層にジェンダー観やフェミニズムについて今一度考えるきっかけを与える為に敢えてポップにしているのかなとか思ったりもする。
後半のマンスプ男いじり、弾き語り男いじりは面白かった。

『ストーリー・オブ・マイ・ライフ』の方が男女の描き方が新鮮だったし登場人物も魅力的だと思ったので今回は自分の好みと違ったかも。

『バービー』を観たら『ドントウォーリーダーリン』ももう一回観たくなった。
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