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アイリッシュマンのlpのレビュー・感想・評価

アイリッシュマン(2019年製作の映画)
4.0
ロバート・デ・ニーロとアル・パチーノが共演したマーティン・スコセッシ監督の新作。(もうこの3人の名前が並ぶだけで鑑賞したくなる!)

先日の東京国際映画祭では、チケットが販売開始5分で売り切れとなった今作。
Netflix限定配信と聞いて、映画館での鑑賞は絶望的だと思っていたけれど、『アースクエイクバード』に続き今作も配信に先駆けて劇場公開されると聞き付け、迷わず鑑賞することに!

舞台は戦後から1970年代のアメリカ。トラック組合の一員ながら、ヒットマンとしても暗躍していたフランク・シーラン(演:ロバート・デ・ニーロ)が、当時を振り返る形式で映画は進む。やがて物語は、ジミー・ホッファ(演:アル・パチーノ)の失踪事件へと迫っていく・・・という話。

映画はフランク・シーランの半生と、終戦直後のアメリカにおける闇社会の様子を、3時間30分(!)の長尺で映す。
『アビエイター』『ディパーテッド』『ウルフ・オブ・ウォールストリート』『沈黙ーサイレンスー』と、2時間30分オーバーの映画をコンスタントに撮っているマーティン・スコセッシ監督ではあるけれども、3時間30分の長さは充分に驚異的だ。

長尺に比例して映画の中身も充実したものになっている。各シーンのキレが良く、時にサスペンスフルな展開に緊張感が走り、時にブラックなユーモアに思わず笑ってしまい、体感時間は3時間30分を下回る。
特にアル・パチーノ演じるジミー・ホッファが画面に現れてからは、一気に映画が勢い付いたように感じた。子供の喧嘩と大差無いような理由で、簡単に殺人や爆発が起こる当時の闇社会の様子を切り取った驚愕な描写の連続に、呆気に取られてしまう。マーティン・スコセッシ監督の手腕は、今回も存分に発揮されている。

映画全体を振り返ると、「3時間30分は長過ぎる」という印象はどうしても残るのだけれども、見応え充分な傑作でした。
気になる方は劇場公開されているこの機会に映画館へ足を運ぶか、11月27日(水)からのNetflixでの配信でぜひ。
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