さよこ

ノクターナル・アニマルズのさよこのレビュー・感想・評価

ノクターナル・アニマルズ(2016年製作の映画)
2.5
…奥が深いような深くないような…。

冒頭開始1分30秒くらい、一体あたしは何を見せられているんだろう……てお腹いっぱいになった。ある意味グロ映像(失礼なこと言ってごめんなさい)で、けっこうキツかった。。

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元嫁に捧げた小説。内容はとてもバイオレンス。小説内の妻と娘は通りすがりの不良に○○されて、小説内の夫は不良たちに○○されて○○する話。とても残酷で心が不快感でいっぱいになる。

例えば、あたしだったら元恋人から送られてきた小説がこれだったら、だいぶ落ち込むし、なんなら「え…あたし元カレに殺されるかも(´・ω・`)」て覚悟したくなるレベル。

猟奇殺人とかシリアルキラーとかが苦手な人にはキツイかも…(観ながら「名古屋アベック事件」を思い出したわ…)。

これを一気にどんどん読み進めていく主人公のメンタルの強さと鈍さよ。すごいぜ。

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小説の物語が進み、主人公の現実が進み、二人の過去が回顧される。3つの物語が並行して進み、ときには交差し、意味と意味をつなぎ合わせていく。

…とは思うんだけど、正直「○が△のメタファーで〜」とか全然理解できなかった。もうそれぞれの物語をそれぞれに独立して観る、で良くない?て思ったり。

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ここからは、あたしなりの解釈。頭で考えた、ていうよりも情緒にまかせて感じたことだから、全然的外れかもしれないけど。





元夫は、過去のキーワードである「弱さ」をテーマに掘り下げたんだと思った。そして元嫁から言われた「私小説からの脱却」はせず、自分のことを信じ続け、自分のことを書き続けたんだと思う。

自分の「弱さ」の正体は一体なにか
なぜ、人は「弱さ」を嫌悪するのか
なぜ、彼女は「強さ」を求めたのか…

そうして仕上がったのが今回の小説。

子供を守れなかった、自分への愛を守れなかった、自分への罰のために書いたんだろう。小説のなかで、自分の家族を○○したリーダーは現実でいう現○、リーダーに従って言われるがままに悪さをしたアイツは現実でいう元○。宝物になるはずだった家族を元嫁に○○されて、その後の彼は自身の弱さと強さを深く深く内観したんじゃなかろうか。

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追記︰
ベビーシッターのシーンは無駄に怖がらせるからなくて良かったんじゃないかな……。なにかの伏線かもしれないけど、普通に怖い…(´・ω・`)

あと最後のレストランのシーンは、家でセットしてる髪型とレストランに到着したときの髪型が、前髪の分け目が逆になっててなんか変な感じしたー!(これも伏線なのかしら)

全体的にテイストが好きじゃないのと、よくわかないシーンが多かったので点数は低め。
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