【まだ存在していたソ連を訪れた無鉄砲なフランス少年】
アルノー・デプレシャン監督の映画で、原題は「わが青春時代の三つの記憶」。
文化人類学者である中年男が、パスポートをめぐってトラブルに巻き込まれ、過去を回想するという形で3部作の物語が進む。
第1部では少年時代に親と不仲だった事情、第2部では高校生時代に(当時はまだ存在していた)ソ連に旅行したときに、無鉄砲にも依頼されてソ連内部の抑圧されている人々にモノとカネを届け、ついでに自分のパスポートを偽造用にくれてやってしまうお話(これが大人になってからのトラブルにつながる)、第3部は或る少女との交際や文化人類学を専攻したいきさつが、それぞれ映像化されている。
話としては第2部が断然面白く、緊張感に満ちている。
第3部が少し長すぎて全体のバランスを失しているのが惜しい。