桔梗F

盲山(Blind Mountain)の桔梗Fのレビュー・感想・評価

盲山(Blind Mountain)(2007年製作の映画)
4.5
事実を元に中国の人身売買を描いたド鬱映画(;´д`)

残念ながら日本で未公開、未ソフト化ですが国内販売を期待してレビュー。

就職活動中の都会育ちの大学を卒業したばかりの女性が薬草を取りにいくアルバイトをする。
しかし、アルバイトは真っ赤な嘘で、実際は誘拐され山奥にある農村の嫁として売られていた…

カンヌ国際映画祭にも出品され物議を醸したとんでも衝撃作だが、日本はスルー(゜ロ゜;

以前、李楊監督は「盲井」という炭鉱労働の闇を描いた映画を作り、中国当局に上映禁止、映画製作3年禁止くらった方。
だが、その3年で取材した事実を元に製作されたのが本作。

カンヌに出したくらいなので中国でも上映されたが…カット40箇所(笑)、ラストはハッピーエンドに書き換え(苦笑)
本作はアメリカで販売されたノーカットの極悪ラスト版である(ToT)

誘拐、監禁され訳もわからず粗暴なおっさんの嫁にさせられレイプなど酷い目に遭う女性の話。

村から出られず、村人たちの性の対象となるということで「ドッグヴィル」や「ビーデビル」と似ている面もあるが、ありとあらゆる脱出計画がことごとく潰され、現実版「ファニーゲーム」を観てるよう(T_T)辛すぎる!!

逃げても逃げても必ず捕まり村に引き戻され、ついに妊娠(゜ロ゜;鬼過ぎる!!

映画はリアリティを追求し、余計な演出や音楽などは一切なし。
カメラがただ、悲劇の女性を追いかけるようなドキュメント風展開。
派手さはないが、現実味がある分引き込まれてしまう。

辛い話も見所だが、最大の見所は中国山村の現実的な市井の暮らしを観れたこと。
日本に入ってくるニュースやドキュメンタリーでは絶対観ることのできない衝撃の中国(;o;)

拉致された女性を警察、村長見てないふり、村ぐるみで誘拐加担と人権のジの字もない国だということがよくわかる(*_*)

一人っ子政策の仇花で自国民や脱北者を誘拐し嫁に…は今でもあるらしい(;o;)

酔狂なメーカーさんが日本で販売してくれないだろうか。
あまりに救いが無さすぎて発狂しそうですが(苦笑)
桔梗F

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