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20センチュリー・ウーマンのhrt2308のレビュー・感想・評価

20センチュリー・ウーマン(2016年製作の映画)
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1979年、アメリカ西海岸サンタ・バーバラが舞台。

15歳のジュリアン(ルーカス・ジェイド・ズマン)は父と離婚した母ドロシア(アネット・ベニング)の手で育てられている。家にはNY帰りのフォトグラファーのアビー(グレダ・ガーウィグ)、元ヒッピーのウィリアム(ビリー・グラダップ)を下宿させている。ジュリアンは近所の2歳年上の幼なじみジュリー(エル・ファニング)が好きだが、セックスより友情がいいと言われる関係だ、、、。

ドロシアは自分の考えを息子のジュリアンに決して押しつけず、とことん理解しようとするが理解できないものはできない。ドロシアはジュリアンの育て方に不安を感じ、アビーとジュリーに助けを求める。みんなの関係がさばさばしながら愛情深いところがいい。

ジュリアンの周りの人たちはみんな自己の考えにそって人生を模索している。大人も傷ついたり失敗したりして生きている。決して偉そうにジュリアンに説教なんかしない。対等の立場で話しているのが心地いい。

タイトルの通りこの作品には20世紀に生きた3世代の女性が登場する。それぞれの時代を生きてきた、それぞれの女性たちの生き方。背景のアメリカの歴史がもっとわかっていたら、もっと深く理解できる作品だ。それから、パンクや当時の音楽状況に詳しい人なら、この作品の気分がきっとわかると思う。

A・ベニングの自立した母親像がいい。ほとんどのシーンでタバコ吸ってた気がする。70年代っぽい。

G・ガーウィグの髪を赤く染めたアート志向の写真家アビー。見た目の派手さの反面、内面の繊細さを絶妙に演じていた。この作品後、「レディ・バード」を監督する

E・ファニングのジュリー。ジュリアンを惑わす幼なじみ。最後まで友情を貫く気持ちは複雑。

B・グラダップの下宿人ウィリアム。色々あって今はマイペースの生活。要所要所で頼りになる人。
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