kmtn

グッドモーニングショーのkmtnのネタバレレビュー・内容・結末

グッドモーニングショー(2016年製作の映画)
-

このレビューはネタバレを含みます

【はじめに謝罪】
わたくし、これまで某ハゲラッパーの影響を受けすぎた結果、
見てもいないのに、君塚良一さんの作品に対し「クソ映画なんやろ(見たことないけど)」というスタンスで生きて来ておりました。謝ります。
グッドモーニングショー、結構良かったです。


大まかには映画は2つの場面で映画が展開される。
1つは朝のワイドショー「グッドモーニング・ショー」のスタジオ。
2つ目は事件現場であるカフェ。
映画的には2つの場面が展開されるにもかかわらず、どちらも密室という謎仕様に「映画としてどうなんだ!」と文句を言っている人が何人か見受けられるし、
コメディテンションとしておかしいという批判もまぁ分からんくもない。


いやー、でもまぁ僕は結構、
「テレビ側も視聴者側もみんな馬鹿と」言い切ってしまう作品のノリは好きだった。
ラストの視聴者投票もたぶん十年前くらいの邦画なら「捨てるべきではない」が普通に勝っちゃうんだろなあ。


宇多丸さんなら「視聴者もこんなに馬鹿じゃないよ!君塚良一は大衆をバカにしてる!」と言いそうだけど、
いや、こんなもんでしょ。絶対面白がって、捨てるに投票するやつなんて山ほどいるよ。
そうじゃなきゃ、安田純平が帰国した時に「自己責任だ!死ねば良かった」なんて言う人たちがあんなに出てくるわけがない(まぁ自己責任論唱えてる人はべつに面白がってる訳じゃないだろうけどさ)。
自分と関係のない(と思い込んでいる)ものにみんな興味なんてないんだ。
自分と関係ないから、危ないところに行くのは理解できない、バカ、自己責任。
そんなやつばっかりになっちゃったんだよ。悲しいけど。


視聴者をバカにするだけなら、まぁ不快な話だけど、
明らかにテレビ局側もバカにしてて、
視聴率至上主義、
人が死ぬかもしれないシーンを平気で放送する、
醜すぎる報道とのイニシアチブ合戦、
池内博之の「澄田さんは暴力と戦ってる!」というあまりにも上っ面だけを切り取ったセリフ(カメラが回ってないと澄田アナは何も言わないのだ)。
息子が感動していたら、吉田羊が「アナウンサーの言葉なんだから、嘘に決まってんじゃん」と言い切る場面とかいいよね(まぁそういうのを持って、批判を事前に封じてると取る人もいるみたいだが。ちなみにアナウンサーの赤江珠緒さんは以前、「ひとまずレスポンスしないといけないから、心ない返事をすることがある」と言っていた)。
いやー、どれも酷いよねえ。


みんな酷い。
みんな酷いから良くしていかなきゃいけないし、安直な報道、フェイクニュースに飛びついちゃいけないのだ。
君塚良一さんが一番言いたいメッセージ性はイマイチ良くわからなかったけど、全方位をバカにするスタンスは僕は好きです。


いきなり占いに入るシーンとか普通に笑えるし、コメディシーンが面白くないという人も見受けられるが、
僕は結構笑えました。
あ、あと時任三郎いいよね。
おすすめです!!!
kmtn

kmtn