Cozy

ブルーに生まれついてのCozyのネタバレレビュー・内容・結末

ブルーに生まれついて(2015年製作の映画)
4.2

このレビューはネタバレを含みます

チェット・ベイカー。

「Sings」が昔から大好きで,その甘い歌声とトランペットの音色に魅せられていた者の1人としては,この作品でのドラッグやアルコールに依存し,マイルスに対しての憧れと対抗意識が混在している彼をイーサン・ホーク越しに観るのは何とも複雑な気分でした。この時代のジャズマンの多くがドラッグかアルコールに溺れていたことは知っていても,実際に映像で観るとキツいですね…

あくまでも作品中に限っての判断になりますが(実際の史実に基づいているのかわからないので),最後の方でイーサン・ホークが演じるチェットがドラッグを続けるか,それともドラッグに頼っての演奏を続け彼女との生活を諦めるかの決断を迫られた時に下した決断は,ロバート・ジョンソンのクロスロード伝説や「悪魔との契約」を連想してしまった。

イーサン・ホークは凄く良かった。勿論歌声はチェット・ベイカーに似てないけど味があって素敵だし,トランペットの演奏も半年の集中トレーニングの成果が見て取れる。何よりも演奏シーンの佇まいや表情が素晴らしい。
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