ブルーに生まれついてのネタバレレビュー・内容・結末

ブルーに生まれついて2015年製作の映画)

Born to Be Blue

上映日:2016年11月26日

製作国:

上映時間:97分

3.9

あらすじ

名ジャズ・トランペット奏者として一世を風靡した、チェット・ベイカーの苦闘の時代を描くドラマ。ドラッグに依存し、暴行されて歯を失い、どん底に落ちたチェットが再生を目指す姿を、イーサン・ホークが見事に再現する。シャープな映像とクールな音楽が抜群の官能をもたらす1本。

「ブルーに生まれついて」に投稿されたネタバレ・内容・結末

ラストのメタドンかヘロインか
人間である前にトランペットプレイヤーであるチェットの選択にシビれた
チェット・ベイカー=有名なトランペッターくらいの前知識で鑑賞。
数あるミュージシャンの伝記っぽい映画の中でも、ベストオブベストだと思った!
born to be blueというタイトルからして最高。
コピーに「痛いほどの音楽と、愛」と付いてたけどこれも一興!

随所に出てくる、海、車、前開きのシャツ、ドレスの淡いブルーがきれい。
チェットがトランペットを吹くシーンは力強さと甘さが、そしてドラッグシーンにはヒリヒリとする切なさが画面から伝わってきて、全てのビジュアルに監督の美学が感じられた。
ラブシーンには一切の邪気がなくて、胸が締め付けられた。
プロポーズのシーンとか幸せすぎてニヤニヤしちゃった。

何と言っても、イーサン・ホークあっぱれすぎる。
落ちぶれてかわいそうなチェット、薬に溺れてしまうどうしようもないチェット、無邪気な少年のように、ジェーンを愛するチェット…
イーサン・ホークの演じるチェット・ベイカーを愛さずにはいられない。

ラストのパフォーマンス・表情は圧巻。
イーサン・ホークを通じて、チェット・ベイカーを確かに感じられた。

「もう吹けないから死ぬの?他の楽器をやれば?歌とか」とジェーンに言われたチェットが、
「自己紹介してなかったか。俺はチェット・ベイカー。当代随一のラッパ吹きの一人。即興ジャズの名手だ」
ってしゃがれた声で。シビれるー。
チェットベイカーの人となりに関する知識ほぼゼロで見ましたが、なかなかよかったです
血を吐きながらトランペットの練習するシーンといい、ラストの演奏前の選択といい(あそこで常識的な選択したら、話として小綺麗に収まってしまうものな…)、表現者としての業の深さみたいなものを感じました
全編通してジャズなBGMも◎
ラストがすごい良かった。
マイナス面も含めて人間味を感じられる良いラスト。
ヘロインがやめられないのは身体的依存もあるだろうけど、
女とか自分の体より音楽とヘロインを選んだのは本人にとってはごく自然なことなんだろうと思える。
ずっとあの状態を望んでいたんだと思うし、あの瞬間がそれほど重要だったということがよくわかった。
だからこそ歯が折られてトランペットが吹けなくなったことは相当きつかったと思う。
実際のチェットベイカーがどうだったかは知らないけど。
Born to be blue

1950
黒と白
実家でトランペット練習してる姿
ふと過去に戻る瞬間
バードランド
トランペット
色んなものを失っても、そこに居続けてくれる人の期待に応えるために、彼はまた音楽と向き合えたのだと思う。孤独の先の再スタートがいいのかな、って思えるエンディングでした。
天才ゆえの栄枯盛衰。

薬に溺れ、光り輝く舞台から消えたチェット・ベイカー。
それでも一人の女性と共にお互いの夢に向けて奮闘していく姿には、彼のジャズ・トランペット奏者としての意地とプライドが見受けられる。

しかし、再び光を手にしたのと同時に大切な者を失うのは、悲しすぎる。
それを表現するかのような青が、より物哀しさを引き出し、胸が痛くなった。
チェットベイカーの転落と復活を描いた作品

薬物依存が原因で一度は音楽を失うも、愛する人に支えられ再びステージに立つが、、

何かに取り憑かれた人間の怖さを感じる作品でした。

イーサン・ホーク、かっこいい。

日曜の夜に観るものではないかな。
実在した伝説的トランペッターであるチェット・ベイカーの半生を描く本作品。
演じるのはイーサン・ホーク。

最近ガタカを観た。
今から20年前の若かりし日のがむしゃらな彼も素晴らしかったが、本作の円熟味を増した哀愁漂う演技や歌声、トランペットの響きは、どうしようもなく最低で最高なチェット・ベイカーの魂を宿したかのようで、彼の代表作の一つとなりそうな程の名演技だったと思えた。

この物語でカルメン・イジョゴが演じるジェーン、実はこの部分はフィクションであり実際にはジェーンは存在しない。

チェットの変えられない不器用で破滅的な生き様を象徴する為にアレンジされたエピソードだ。

物語は若き日の栄光から年月を経て、麻薬や酒、女に溺れ転落した人生を味わう場面から始まる。

運良くハリウッドから救いの手が差し伸べられ、自伝映画が撮影されることとなり、この映画でジェーンがチェットの妻を演じる。役の上だけでなく、やがて彼女と恋が始まる。
(駄目な男とわかっていても惹かれてしまうチェットの悪人ではない純粋さこそが、彼が伝説として今尚人気な所以なのかもしれない。)

その最中、チェットに再び悪夢が襲う。
彼がツケ倒してきた薬の売人からの凄惨なリンチに会い、再起不能なほどに歯や顎を砕かれ、トランペッターとして窮地に立たされる。

ドラッグ、酒、女に溺れた最低なこれまでの生き様。
だがチェット、トランペッターとしての誇りは決して失うことはなかった。

勿論それは、献身的に支え続けたジェーンの愛があってこそ。

ドラッグを絶ち、地道な仕事をこなしつつ、
苦難を乗り越え一歩づつ、また一歩づつ…

再び輝きを取り戻したチェットのトランペット。
関係者が集い、ステージ前の最終試験の様なセッションが開かれる。
“My Funny Valentine”
ジェーンに捧げるかのようなチェットの歌声とトランペットの音色が、心に染み渡り、鳥肌が立つ。
そして掴んだ夢への切符。
ニューヨークの聖地“バードランド”への出演が決まる。

ジェーンのオーディションが重なりニューヨークへはチェット一人で。
ジェーンの居ない控室で、マイルス・デイヴィス等大物達も見守る大舞台へのあまりの緊張に、子供のように怯えるチェット。

ジャズの世界にしか生きられない彼とって、死にものぐるいで這い上がり掴んだ最後のチャンス。
失敗=次はないと刹那的に自らを追い込む恐怖心が痛々しい。

極限状態の心はドラッグへの依存に揺れ動く。

ジェーンを失うか、ドラッグを取るか…

マイルスの言葉「女と金のために演奏しているヤツは信用しない」が私の脳裏に重くのしかかる…

バードランドに現れたジェーンの前でチェットの演奏が始まる。
ラストシーンの“”Born to be blue”
まるでジェーンに向けたメッセージのよう。
彼女への愛は紛れもなく本物だ。

“ブルー”
生まれついてのチェットの悲しい生き様が、哀愁を帯びたトランペットの音色と重なり、噛み合う事のない歯車に、どうしようもない程の切なさが募る。

※それにしてもジェーンを演じたカルメン・イジョゴ、とても素晴らしい女優さんだ。彼女の演技がこの映画に深みを与えていると言っても過言ではない。彼女の他の出演作も是非観てみたい。
結末は残念なのにかっこ良すぎる。
イーサン・ホークはやっぱカッコいい。
まさにブルーだわ。
>|