劇場で見逃し映画でしたので、
U-NEXTで鑑賞。
マイルス・デイビスと同じ時を駆け抜けた天才ジャズ・トランペッター、チェット・ベイカーのドラッグにまみれた栄光の果てにスポットを当てた物語です。
ドラッグトラブルによる暴行事件に巻き込まれ、顎と前歯を折られ
一旦はトランペッターとしての生命を絶たれてしまい、絶望の淵に追いやられるチェット。
映画の撮影で知り合った女優志望の美しい黒人女性のジェーンとの愛に支えられながら苦悩の末に復帰を果たすも、
またドラッグに溺れてしまう切なくもやるせないストーリーです。
あまりにも心にやるせなさが残ったので、
映画を見終わった後、チェット・ベイカーの奏でる曲を歌とトランペットで聴いてみました。
曲は劇中でも流れた、チェットの代表的な曲の"My Funny Valentine"と"I Fall In Love Too Easily"
チェットの吹くトランペットの音色は、
まるで彼の生涯の様に切なく、
心の奥底に響く、限りなくブルーに近い静かな叫び声の様で、
彼の歌う歌は、甘く、まるで映画を観ているかの如くドラマティックでした。
イーサン・ホークの演じるチェット・ベイカーは甘いマスクと完成度の高い甘い歌声。
トランペットの演奏も何か心に響くものが感じられました。
音楽を何よりも愛し、その裏側ではドラッグと女に溺れた、危うくも儚いチェット・ベイカーの限りなくブルーに近い生涯の物語でした。