東京・池袋の新文芸坐のシネマテークにて。
若き青年が就職し、会社の中で働き、恋をする物語。
青い春のときめき、戸惑い、哀しみを観る映画。
ときめきにはあまり身に覚えがありませんが、戸惑いと哀しみには深く共感しました。
ダンスホールの場面の主人公と全く同じ感情を経験したことがあります。
上映後の大寺眞輔さんの講義によると、オルミ監督の極めてパーソナルな映画とのことです。あの戸惑いや哀しみは監督自身が感じたもののようです。
大監督に対して僭越ながら親近感を覚えました。
そして、ときめきの描き方が輝いています。いやあ、お見事です。
僕は読み取れませんでしたが、大寺さんのお話では、パーソナルな面を描いている一方で社会的なことも描いているそうです。第二次世界大戦敗戦後のイタリアの変わりつつある社会の様々な側面を捉えているとのこと。
上映後に解説してもらうというのもなかなか良いですね。自分では見出せない映画の見方を知ることができました。新文芸坐のシネマテーク、可能な限り通ってみようと思います。