ナナシ774

ルームのナナシ774のネタバレレビュー・内容・結末

ルーム(2015年製作の映画)
4.5

このレビューはネタバレを含みます

公開される前、知っていたのは母親と息子がひとつの部屋で楽しそうに生活しているという情報だけでした。

なので、実際見たとき、シリアスな話だったので驚きました。
でも、それは先の読めない展開にハラハラして、楽しむことができたので結果的に良かったです。

多くの映画では、事件が解決して、そこで終わることが多いですが、この映画は違います。
その後のふたりの様子も描いています。

この構成は2000年のトム・ハンクス主演の映画を思い出しました。

そういう部分を描いてくれる作品は好きですし、この作品に至っては、よりリアルに、そして深みが出たように思います。
むしろ、そこがメインであったような気もします。

事件後の回復の時間がかかりそうなのは息子のジャックの方だと思わせて、実は母親のジョイの方だったというのは、彼女の精神的ダメージを考えれば当然だったのかもしれません。

失われた時間、ジャックの父親のこと、マスコミ、自分の息子を受け入れられない父親、母親との衝突、自殺未遂…等、こういう事件があったら、こうなるんじゃないかと思うほどリアルに感じられました。

自分の父親とは対照的に、母親の今の恋人のレオは、ちゃんと子供心が分かって
(朝ご飯をジャックと一緒に食べるところは良かった)
かっこよくて、こんなおじいちゃんいいなぁと思いました。

最後に、もう一度あの部屋に行く展開
息子が母親にバイバイしてという部分
これしかないというような終わり方だったんじゃないかなぁと思うほど良かったです!

ただ、ひとつ気になったのは、犯人がジャックの脱走を見つけ連れ戻そうとする場面で、諦めるのが早かったこと。
逃走劇を描くのが主題じゃないとしても、あっけなく感じてしまったので、もう少しハラハラさせてもよかったような気がします。

息子のジャック役のジェイコブ・トレンブレイも将来が楽しみな演技を見せてくれましたが、母親のジョイ役のブリー・ラーソンはアカデミー主演女優賞も納得の演技でした!
おばあちゃん役のジョーン・アレンも良かったです!

珍しく、大まかなあらすじを知らずに見れた作品ですが、映画の番宣で、ここは見せない方がいいのになぁと思うことがよくあります。
今回みたいなネタバレしないようにする宣伝や番組が段々と増えていってほしいなぁと思いました。