なかよし

ルームのなかよしのレビュー・感想・評価

ルーム(2015年製作の映画)
4.2
映画館を出て、見える世界が美しい。

ただ、その美しさは、この世界は素晴らしいのだ!という讃歌を伴うものではない。

勇気を振り絞り殻を破って世界に出てきても、世界は大して綺麗ではなくて。群衆、マスコミは被害者の7年の時を無視して一時的な興味で騒ぎ立て、家族は別の人生を歩んでいたり、娘の子は誘拐犯との子供であるから向き合えない父親がいたり。。
簡単に世界に馴染めない部分までしっかり描いているのがこの作品の素晴らしさだと思います。


ルームを「縮んだ?」と聞く、ジャックが感じた世界の広がり方は、もはや自分には体感できないから、羨ましく感じ、
「ママもルームにお別れを」と言った後に続いていく世界を、ママもジャックも2人とも楽しんで欲しいと心から願ってしまう。

そして映画を観終わると、少し世界を好きになっているのだ。
今日も頑張って生きよう、明日は今日より良い日にしよう。
見える世界が美しい。
なかよし

なかよし