女

ルームの女のレビュー・感想・評価

ルーム(2015年製作の映画)
4.0
良作。

もうね、[ルーム]での[世界]の描き方がとってもスマートで(だけどちゃんと見せてくれて)、この前半が圧倒的に素敵な仕上がりだったんだよなぁ(ちょっとディズニーの『ラプンツェル』を思い出す。それくらいキラキラした時間にも見えるんだもん、ほんと素敵)。
真相明かしの段階も、変にオシャレ野郎映画に傾いていなくて、分かりやすかった。だから、ここまで純粋にグッと来たんだろうなぁ。

久しぶりの「親は子に救われる」系ムービー。『めぐりあう時間たち』とか、そのへんの作品のことを勝手にそう呼んでいます。泣ける映画、とするには勿体無い…けど、あの男の子の演技は涙を誘いますね、彼、よかった。


私がここで着目したいのは、5歳というジャックの歳かも。(学生時代の知識に頼ってレビューを書くので専門の方、すみませんが)
観ていて、幼児の抱く“アニミズム”ってのが頭に過ぎりました。

うまく伝わるかな…
誕生日の朝の“おはよう”、の時のジャックのそれはアニミズム。物にも人と同じ心を持っているように思っての、いつもの“おはよう”。

すべてに、“さようなら”、の時は
きっとジャック、分かっていたと思うのよね。分かっていたからこそ、彼はママとそこに訪れたいと思った。

真意はわからないし憶測でしかないけれど、そうだとしたら彼は感覚的に、成長と一緒に対処の仕方を見つけたんだと思う。そう考えてみると、ジャックは本当に賢い子。
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