みあせぶ

ルームのみあせぶのレビュー・感想・評価

ルーム(2015年製作の映画)
4.6
第2の戦い

キャプテン・マーベルで主演を務めたブリー・ラーソンが気になり、彼女の代表作である本作を鑑賞。キャプテン・マーベルのストーリーはあまり私には響きませんでしたが、彼女の演技はすごく気に入ったので結果オーライ。笑

17歳の主人公が誘拐されて7年。誘拐犯との間に出来た子供が5歳を迎えたが、以前と変わらず監禁されたまま。
でも彼女は決して希望を捨ててはいませんでした。天窓を見上げ、外の“世界”へ足を踏み出したいと願う。
もっと惨めなのは監禁中に生まれた子ども、ジャック。
彼は“世界”を知らない。
“へや”でしか過ごしていないため、「“へや”の外」という概念が一切ない。

“へや”(=納屋)にはキッチンもお風呂もエアコンもベッドもある。生活必需品はある程度揃っている。
「生活できる状態になっている納屋」が、
監禁生活が長年続いていることを意味する。
“日曜の差し入れ”という言葉にもゾッとした。一件オブラートに包んでいるようだが、よくよく考えるとかなり怖い。

そんな中でこの映画では被害後もしっかり描いていることが印象的だった。
犯罪を扱った映画は、犯人逮捕で物語が終わることが多い。

だが、被害者にとっては「犯人逮捕後」こそが本当の戦いなのだ。

「元の生活にもどれる。」
「家族とまた暮らせる。」

口で言うのは簡単だが、被害者のこころはもう被害を受ける前とは変わりすぎていた。
この「第2の戦い」をしっかりと取り上げていたのがすごく良かった。

ブリー・ラーソンの作品が観たい!という思い出鑑賞しましたが、ジェイコブくんも安定の素晴らしい演技でした。今後の成長が楽しみです😊

俳優陣の演技といい、ストーリー展開といい、絶対あらすじとかも読まずに観た方がいいと思います。
私はこの映画に驚かされることばかりでした。
まだ観てない方がいれば、ぜひ観て頂きたい!
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