PACO

ルームのPACOのレビュー・感想・評価

ルーム(2015年製作の映画)
4.3
すごく重くのしかかってくる映画でした。母親の強さは凄まじいなと感じた映画でもありました。

ストーリーは、
7年前、突然誘拐され監禁された女性が脱出を覚悟する。自分の人生を取り戻すために、そして子供に本物の外の世界を見せてやるために。しかし、脱出してからも様々な苦労が続く。

部屋には本当に必要な物しかない、そこで7年間生きることができるってすごいなとなった。
普通の暮らしから、その暮らしになることをどのように受け入れたのか我慢したのか想像もつかなかった。
この部屋で生まれた子供は1度も外の世界を観たことがない。だから、部屋が世界の全てなのだ。
それもお母さんはテレビに映る世界は偽物なんだよと嘘をついていた。強くて優しい嘘だなと思った。

脱出してからも様々な苦労があり、お母さんはマスコミの対応や両親への対応。お母さんとしての仕事、やらなくてはいけないことが沢山ある。
脱出してすぐは元の世界に戻れたことを喜んでいるように見えたが、その後のうまく馴染めずにいる姿が辛かった。
しかしそんな中、柔軟に本物の世界に溶け込んでゆく子供。
初めて本物の世界で目を覚まし、あの部屋では考えられなかったような綺麗な地面にゆっくり足をつく。子供の中でどんどん世界が広がっていくのがすごく印象に残ってる。
そして母親への依存もだんだんとなくなっていく。

そんな馴染んでいく子供と受け入れられない親の対比が苦しかった。

それぞれ、本物の世界に戻るのに方法も違えば時間も違う。
だけど、子供からお母さんにちゃんと決断をしてよみたいなことを言うシーンやお母さんが子供を微笑んで見つめるシーンを見ると、
2人ともこれからも強く生きていくのだろうなと思う。

役者も子供を演じたジェイコブ・トランブレイが凄かったし、ブリー・ラーソンもキャプテンマーベルの時とはまた違う力強さがあってよかった。

とても印象に残る映画でした。
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