自分だったら観ていなかっただろう映画だから、大丸有SDGs映画祭で出会えてよかった。
薬物に依存しているホームレスの青年とその猫ボブが主人公の実話に基づく物語。猫目線のカメラワークが素敵だった。紛れもなく猫も主人公だった。
ほっこり心温まる映画である一方で、若者の貧困問題、薬物依存、繋がりの欠如など社会課題も提示している。
『幸福の資本論』という本を思い出した。人が幸せになるための土台として3つの資本が提示されていた。金融資産(財産)、人的資本(働いてお金を稼ぐ能力)、社会資本(家族や友達とのネットワーク)。主人公はボブとの繋がりを経て社会資本を手に入れた。さらに、ボブと一緒ならまたいろんな繋がりが生まれた。だから救われた。
現代社会では何がボブの役割となり得るのだろうか。貧困というテーマではいつも頭の中がうまくまとまらない。