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若き詩人のsonozyのレビュー・感想・評価

若き詩人(2014年製作の映画)
4.5
ダミアン・マニヴェル監督のロカルノ国際映画祭: 特別大賞受賞作。
詩人になりたい18歳のレミ君が、詩のインスピレーションを得るべく、美しい南仏の海に面した地に滞在した夏の数日間をとらえた作品。

Tシャツ・ショーツ・サンダルに詩を書くノートとボールペンというスタイル。(ちなみに滞在期間中、着替えてなさそう。笑)

海を見下ろす高台にある墓地。尊敬する詩人のお墓の前にあるベンチに座り、詩について独り言したり語りかけるのが日課。

町をぶらつき、漁師の若者(エンツォ)と仲良くなったり、図書館に行ってみたり、飲み慣れてないのにウォッカをボトル飲んだり、ミューズ(レオノア)に出会ったもののフルネームも電話番号も聞かなかったため、バーで現地おばちゃんに相談したり踊ってみたり(笑)。

レオノアとは再会できて、散歩して詩を語りかけたり、美術館デートもしたものの、最後にやらかしてしまい(笑)、その夜は夜通しウォッカボトル片手に酔いつぶれつつ朝を迎える。
さて、レミ君の詩人への道は?・・・

『犬を連れた女』にも出演したレミ・タファネル君が、不思議な可笑しみ漂うキャラなのと、何よりこの地の太陽、海、風、路地..流れる時間の心地よさ。
いわゆるシナリオ的なものはなく、キャストもほぼ現地の素人さんで、毎日映画を撮りながら物語を書いていくようなスタイルで製作されたという本作。マニヴェル監督、今後も期待です。

〈関連メモ〉
ロケーションは地中海に面したセット(Sète)というリゾート地で監督が小さい頃からバカンスでよく行っていた地。
レミが通うお墓はセット出身の詩人ポール・バレリー(Paul Valéry)のもので、二人がデートする美術館は「ポール・ヴァレリー美術館」だそう。
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