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アンジェリカの微笑みのsoramametonのネタバレレビュー・内容・結末

アンジェリカの微笑み(2010年製作の映画)
3.8

このレビューはネタバレを含みます

若くして亡くなった美しい娘とユダヤ人青年との恋物語。

ポルトガルの小さな町の風景がとても美しい。川と緩やかな丘に広がる町並み。古い石畳。時がゆるやかに流れています。行ってみたい。

ワンシーン、ワンシーンが結構な長回しで、独特の余韻を残します。時折流れるピアノの音が風景にとてもなじんでいて不思議な一体感を感じます。

死者を写真で撮ることがこの集落では当たり前の行為なのでしょうが、私の感覚では理解できない風習でした。
オカルト的話ですけど山形県のある地方でムカサリ絵馬という未婚の男女が亡くなったとき、あの世での幸せを願い、花嫁花婿姿の故人の絵馬を神社に奉納する風習があるそうです。この女性は既婚者ですし、そういう意味合いではないでしょうがそんなことを思い出しました。
セリフの一つ一つが何かしらの意味がありそうでとても気になります。素粒子とか量子力学的な(正直学がないのでよくはわかりませんが)話や魔女の話やこの家にまつわる呪いなど、何らかの意味がありそうです。

そしてこの物語を死者に魅入られた青年が、食事もほぼとらず狂い死んだ妄想話ととらえるか、美女の亡霊にとりつかれた青年の話ととらえるのか、なんとも悩みどころです。
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