くりふ

自然の歴史(組曲)のくりふのレビュー・感想・評価

自然の歴史(組曲)(1967年製作の映画)
3.0
【ヴンダーカンマー・ミュージカル】

シュヴァちゃん初期の、これは…MVだね!www

Wikiに、“原題は本来「博物誌」と訳されるべきだが、この邦題で定着している”とあるが、自然の歴史というより、自然を観察してきた人の視点史、みたいなものかと。

元ネタは昔々のプラハ皇帝ルドルフ2世による「驚異の部屋(ヴンダーカンマー)」で、そこに集められた…ような?世界の珍奇品を、テーマごとに割って、音楽に乗せ、踊らせているんですね。

シュヴァちゃんとしては、故郷の偉人の遺産で、嬉々として遊んでいる。

この背景を知らないと、表面は遊んでいても堅苦しい映画、とも見えるかも?

各テーマのオチを、“美しくない食”で結ぶのはシュヴァちゃんらしいが、改めて見直すと、あまり効いていないように思えるし、それこそ、型にはまって堅苦しい印象を受ける。

それでも、巨人の初期作と思えば、優秀な映画でありましょう。

かなり近視眼的な画づくりだけど、これをグッと俯瞰すると、クエイ兄弟の『ヤン・シュヴァンクマイエルの部屋』になるわけだ!

<2023.7.31記>
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