あそびます

暗殺のあそびますのネタバレレビュー・内容・結末

暗殺(2015年製作の映画)
4.5

このレビューはネタバレを含みます

至極ストレートな娯楽映画だった。
そして歴史の暗部は誇張せず矮小化もせず、日本占領時代の辛酸を確実に示しながらきちんと主題を貫き通した。

レジスタンスにして敵国スパイ、売国奴の娘、守銭奴の殺し屋。痛々しい三つ巴だった。とうに忘れていた双子伏線が息を吹き返し、暗殺が復讐に変わる瞬間の暴力的なドラマ性はもう、エクスタシー...!

絢爛な京城三越の様子にもため息が出たが、その破壊祭にはもううっとり快楽しか感じなかった。あの無数の銃弾が飛び交うカオスと化した殺戮ホール、タランティーノだ!!!
美しく退廃的で、破滅へ向かう暴力はいのちひとつずつ華やかに散る。花嫁は腿に忍ばす弾倉を爆発させんばかりに殺し、速射砲は使命に身を捧げる喜びに身を焦がしつつマシンガンで獲物を粉砕し、闖入者は愛の存在を感じながら蜂の巣になる。
この通り思わずポエマーになるようなロマンがスクリーンをボッッコボコに沸騰させていた。三越、見る目が変わった。
とにかく何にしても爆弾、作戦、ロマンスに銃撃戦、カーチェイスと盛り沢山で感心感激。

しかしWスパイといえばもうイ・ジョンジェだなぁ。セクシーダイナマイトよ。
誰かが泥の中を這いずり回らねばレンガはできんのだ。
最後にヨムが商店で静かに買い物をしている様子、自分のお爺ちゃんに重なって涙が出てきた。韓国のハラボジはみんなこうなのかな。1933に連れ戻されたヨムは、でき上がったレンガに納得して死んでいった事だろう。

双子が出自を理解するスムーズさや、入れ替わった後の無難さは気になるが、この題材でしっかり面白かったのでほんとにすごい。
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