セイラ

帰ってきたヒトラーのセイラのレビュー・感想・評価

帰ってきたヒトラー(2015年製作の映画)
3.7
・コメディだけど人の闇の片鱗に触れられる
・1945年に朽ちたはずのヒトラーの熱を彷彿とさせる
・当時のドイツが抱えた問題のはずが現代に投影され、ヒトラーが背負って喋ってくれる痛快な風刺

ラジオ「村上信五くんと経済クン」にて村上さんがアンネの日記を読み直したと聴いて、残虐な題材の本でも大人になって読み直して良かったと言えるのはすごいなあと感心してわたしも再び読みました。
そこで気づいたのはわたしは多分本質をなにも理解していなかったこと。
アンネ・フランクもアドルフ・アイヒマンもハンナ・アーレントも高校倫理で習ったはずなのに、記憶が薄い。
『イエスマン』で思い出したビクトール・フランクルのことでさえ何も知らないんじゃないかと気づき、ならば根源のヒトラーから学び直そう、でも最初に怖いのは控えたいから手始めにコメディからと鑑賞しました。

「笑うな危険」というキャッチコピーに頭が上がらない。
笑ってしまう、けれど確実に社会問題に触れた気分になった。
プロパガンダはいつどこで、わたしの隣に潜んでいやしないか?
選挙で投じた一票は独裁者を生みえないか?
「はじめは皆笑ってたんだ」のみんなの一人になっていないか?
相棒をサイコパスと仕立て上げる残虐さは持ち合わせていないか?
「本物」を疑えるか?
たくさんたくさん考える良い映画だった。
一つ言えるのは善悪に限らずカリスマ性に人は惹かれるんだなあということ。
戦犯なんだけど、どうも興味が湧いてしまう、という理由がコミカルに表現されてたなあ。


---アーモンドストロベリーショートケーキ‐‐‐
開始からちょうど一時間くらいで、「サディストか?」とザヴァツキが言われているシーン。
全然笑えるところではないのだけど、悪魔崇拝のみなさんそんな可愛くて名前が長いスイーツ食べるんだ、、と思ってしまったので。
そもそもドイツ語が分からないため吹き替えで鑑賞してしまったのですが、正式名なんて言ってるのかなあ、、
ケーキ屋さんで働いていたけれどドイツ語名のスイーツはクーヘンかシュトレンくらいしか作ったことない気がするので、レシピあてはできませんでした。
でも多分クーヘンだよねということで薄力粉とベーキングパウダーと卵とお砂糖を使いました。
これからの季節は林檎クーヘン良さそうだなあと、林檎スイーツでパイ以外の選択肢を思い出しました。
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セイラ

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