Kaoric747

帰ってきたヒトラーのKaoric747のネタバレレビュー・内容・結末

帰ってきたヒトラー(2015年製作の映画)
4.6

このレビューはネタバレを含みます

今まで色々映画を観たが、5本の指に入るほどの後味悪い映画。地下壕で自決したはずのヒトラーが2014年にタイムスリップしてきて、時代錯誤に笑う前半はよくあるブラックなコメディという扱いでもいいのだが、後半が本当に怖い。オチも最悪だった。アメリカの映画ならああはしなかった気がする。ニュース映像やヒトラーの格好をした主演のオリヴァー マスッチが街を歩いて人々と写真を撮ったり会話をするドキュメンタリー風の映像が使われていて、妙なリアリティがあり、さらに怖い。不安定で不満が多い時に、いいようなことを分かりやすく言って出てくる人間には注意を払わなければいけないと思う映画。視聴率が上がればヒトラーでも人種差別でも何でもいいと思っているメディアもごみ以下。ドイツは戦争の罪を全てナチスドイツに押し付けたとよく言われるが、果たして扇動された国民に非はなかったのか。インターネットが普及した今、当時以上に民衆を扇動しやすくなった。異常な雰囲気や熱気に流されることなく、「いやそれはやっぱりおかしい」と冷静でいられるのかどうか。選挙の投票前に考えさせられることが多い映画だった。後味は悪かったが、やはりドイツ映画は面白い。(2016/7/6 TOHOシネマズ ソラリア館)
Kaoric747

Kaoric747