勝沼悠

帰ってきたヒトラーの勝沼悠のレビュー・感想・評価

帰ってきたヒトラー(2015年製作の映画)
5.0
 自殺する直前のヒトラーが突然現代に舞い降りた。彼はヒトラーを演じる芸人として人気を得ていくが。。。
 大人気小説を映画化。

 かなり小難しい小説なのでどう映画化するのだろうと思ったが、原作をちゃんとなぞりつつ大胆な+αを加えている。
 その+αとはドキュメンタリー要素。 オリヴァー・マスッチ演じるヒトラーが実際に街に出て色々な市民と話すシーンをそのまま映画に入れているのだ。ヒトラーを受け入れる人、嫌悪する人、反応はそれぞれだが、この生の反応は面白い。
 映画化にあたってちょっと残念だったのは原作よりヒトラーを分かりやすく危険に書いているところ。原作のヒトラーはネオナチよりリベラルに共鳴し、ヒトラーとリベラルが紙一重であったことをうかがわせる。ちなみに原作のラストは、ヒトラーが今までユダヤ人を敵だと思ってたが、実はそれはユダヤ人ではなくグローバル企業だっと悟るところで終わる。

 まぁそれでも映画化の難しい小説をうまく映画にしたと思う。
 興味を持った人はぜひ小説も読んでほしい。
勝沼悠

勝沼悠