このレビューはネタバレを含みます
荒唐無稽なブラックコメディと思わせて、強い社会風刺をテーマにしたモキュメンタリー映画
現代ドイツが抱える様々な社会問題をタブー中のタブーであるアドルフ・ヒトラーを媒介にして炙り出すという、四方から批判を浴びそうなテーマだが、見事に評価された問題作
アドルフ・ヒトラーと言えばドイツ国内はもちろん欧米では相当な禁忌であるが、そのカリスマ性が現状人にも受け入れられるほどに社会問題は複雑かつ深刻であることが描かれる
ラストも衝撃的でアドルフ・ヒトラーは一部の人間には嬉々として受け入れられ、いち早く危険を訴えた物は精神異常者として拘束される
「誰もが心の中にアドルフ・ヒトラーは存在する」と言うセリフは建前と本音を持つ複雑な人間社会において不気味な真理である
「ヒトラー~最後の12日間」のパロディーシーンの完成度(笑)