Eirain

メディアのEirainのレビュー・感想・評価

メディア(1988年製作の映画)
2.8
ラース・フォン・トリアー監督の初期作品で、「ヨーロッパ三部作」の合間に制作された一作。引き続きデビュー40周年 Blu-ray Boxにて鑑賞。

メディアと夫イアソンは、幼い子ども2人とコリントスで暮らしていたが、コリントス王クレオンは、イアソンを娘グラウケの婿として迎えることを望み、イアソンはこれに応える。夫に捨てられたメディアは、クレオンに国から出ていくよう命じられる。夫に裏切られ、居場所を奪われたメディアは、復讐を決心する―――。

原作は、古代ギリシャの<三大悲劇詩人>の一人、エウリピデスによるギリシャ悲劇で、トリアーと同じデンマーク出身の監督、カール・テオドア・ドライヤーによる映画脚本(遺稿)をアレンジして撮影されたもの。

メディアの絶望と憎悪を、トリアーの不気味な静けさで描いた一作。この静けさと、繰り返し流れる草原の風景に身を委ねていると・・・うん、眠くなるね。(初回鑑賞はほぼ全編寝落ちで、今回は2回目の鑑賞。)タイトルロゴのシルエットに、この物語の絶望が凝集されている・・・哀しい。。。

また機会があれば、原作のギリシャ悲劇やパゾリーニの『王女メディア』に当たって比較してみたいところ。特に、我が子を○○する場面がどのような描写になっているのか気になる。
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