亜硝

パーティで女の子に話しかけるにはの亜硝のネタバレレビュー・内容・結末

4.2

このレビューはネタバレを含みます

かなり好きですね。
相手か世界かを選択させられるいわゆる「セカイ系」の系譜に属するストーリーですが、本筋自体はわりとあっさり、切ない感じで終わります。
設定とビジュアルとキャラクターが自分の中で完全勝利。

まず、パンク×宇宙人という組み合わせ!ヴォネガットを彷彿とさせるナンセンスSFっぷりがツボでした。そして想像以上にちゃんとSFしてる。宇宙人が地球のものに影響うける映画は古今東西たくさんありますが、あれやこれやと体験させるよりも本作のようにパンク一本など、接触するテーマを具体的に絞った方がまとまりもあるし面白くなるな〜。パンクはそのまま啓蒙的な精神を持つ音楽だってことも重要ですよね。まあ自分にとってはパンクは宇宙人と同じくらい遠い世界なんですけども……

そして宇宙人のビジュアル。カラフルなラバースーツに身を包んで前衛舞台芸術みたいな挙動で踊りくねる。弱点は乳首。人間たちの行手を阻むために赤いやつらが壁を作ったところを、デブに乳首を捻られてあえなく崩壊したところめっちゃ笑いました。あとなんか手を前に突き出してワーワーいう攻撃方法もわけわからんくて好きです。

あとはエル・ファニング演じるザンが非常に良い。まあこの映画のコアはここですよね。どこか浮世離れしてるけど好奇心旺盛そうな、不思議ちゃんっぽい感じハマり役だなぁ。主人公の友人二人も好きです。特にデブの方。きみ童貞ウォーズにもいなかった?ラバースーツ集団のダンスを観て「すげぇ……」と言い、そのまま激しく踊り出すあたりが最高です。一緒に踊ろうとはならんやろ。

お母さんとのやりとりとかエルファニングのライブシーンとか、いろいろ見どころあります。そして登場人物がみんな基本的にいい人なのでなにかとハッピーでした。わ〜いカルト映画だ〜って感じで大好き。

「お前はお前、彼女は彼女だ。忘れるな。交われば別のものになる」
いいセリフですよね。
亜硝

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