紅孔雀

無限の住人の紅孔雀のレビュー・感想・評価

無限の住人(2017年製作の映画)
4.0
あまり三池監督作品は観ていないのですが、その中では一番好きです。世評高い『13人の刺客』もその残酷テイストが合わなかったのですが、本作はハマりました。
やはり、配役の勝利でしょうか。何をやってもキムタクだが、それ故の安定感があり、今の邦画界には貴重なキャラだと評価したいです。対するは、今注目株の杉咲花。最初は時代劇は無理かと思わせますが、鼻水も辞さぬ熱演で徐々にこれもアリか、と納得させてくれます。その他、福士蒼汰の美剣士振り、戸田恵梨香の見事な空中殺法、市原隼人の冷酷な悪役振り、そしてまさかの市川海老蔵の不気味さなど、多彩な演技が楽しめました。
なお、主人公はそれほどチャンバラが強くなく(ここが、皆さん不満なのですが)、特技が「不死」であるが故にヒーローなんですね。ここらあたり、忍者マンガの祖と言うべき横山光輝作『伊賀の影丸』に登場する天野邪鬼(あまのじゃき)を思い出しましたーーと言っても、若い方には通じないと思いますが、要するに、際立って強くないが、死んだと思って油断すると蘇って敵をやっつけちゃうという不死の忍者なんです。なんか似てません?
まぁ、マンガだと思って観ると(原作もマンガですが、本作もブッ飛んでます)、色々ツッコミたいところも許せちゃう“スプラッター・アクション時代劇”(©︎まっどしーがるさん)でした。
PS: 随所にプッと笑わせるところがあるのも良かったです。以下、代表的な台詞をいくつか。
「危ねぇな」(←敵との最初の立ち回りでキムタクが言い放つ。そりゃ殺し合うんだから“危ない”に決まってますよねぇ)
「愛する人のためなら善も悪も関係ない」(←花ちゃんが剣を構えながら叫ぶ。支離滅裂だが必死さが伝わってきます)
「こんな体になって剣の腕が鈍ってしょうがねぇ」(←キムタクが思わず呟く。確かに、死なないんなら剣の修業も疎かになりますな。つい、ナルホド!と思っちゃいました)