確か 初めて見た彼の写真は
「郵便配達人達」だっけな
手持ちで安易に撮れる今や
誰もが 自称写真家なわけだけど
構図 採光 奥行を自由自在に
被写体と自分だけの世界を
切り取る 無欲なスタイルに
感銘を受けたものだったなぁ
未だに レンズを向けて
焦点を定める前には
ちょっぴりカッコつけて
「日よけ」の一枚のような
アバンギャルドな"それ"を
探してしまったりする
商業都市ニューヨークにおいて
ロバート・フランクともまた異なり
どことなく長閑で 限りなく抽象的
それでいて 幾時を超えても
レトロになり得ない美しさ
隠しがちな真実を 己の中に
確かに見つけて 達観してるような
彼のそんな人柄がよくわかる１本だった
