お麩

ジョン・F・ドノヴァンの死と生のお麩のネタバレレビュー・内容・結末

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このレビューはネタバレを含みます

人気俳優と、熱狂的ファンの少年の、手紙で繋がれた尊い友情のはなし。

精神の不安定やセクシュアリティが、致命的なキャリアの妨げになる芸能界で、その見えない脅迫に悩み追い詰められるジョン。
(それに悩むことを贅沢な悩みと切り捨てさせずに、そんな芸能界の異常性を訴える青年ルパートに、こちらもハッとさせられた)
飛び抜けた知性と、ちょっと周りと違う境遇でいじめられるルパート。
ふたりには、父(というけれど本当は母)との複雑な関係、俳優になる夢という共通点があり、互いの心を開ける唯一の存在になっていた。

ジョンは恥というしがらみで、自分自身も周りの人も大切にできなかった。
彼の遺志を残されたものとして咀嚼し、1世代ほど違う青年ルパートは最高の人生、自分を誇らしいと思える人生を手に入れていた。
最後のふたり乗りのシーン。幸せに満ち溢れるルパートに、小さいころから見守ってきた親戚目線で心から喝采が溢れてきた。

2人とも、母との関係が改善されたのが救い。
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