一人旅

風櫃(フンクイ)の少年の一人旅のレビュー・感想・評価

風櫃(フンクイ)の少年(1983年製作の映画)
3.0
ホウ・シャオシェン監督作。

風櫃に住む青年たちの恋や日常を描いた青春映画。
ジャンルとしては青春映画だが、青年たちは決して青春時代を謳歌していない。将来の展望も見えず刹那的な行動を取り続けてしまう。青年たちは風櫃から都会である高雄に移り住むことを決意するが、具体的な目的があってのことではなくどちらかと言うと放浪に近い印象だった。家庭での居場所の無さや世間からの疎外感・負け犬感が自己嫌悪や苛立ちを呼び、ふとした時に一瞬の感情の爆発と涙が青年を襲うのだ。先に観た『恋恋風塵』と打って変わって、本作は青春時代における虚しさや孤独が強調されて描かれている。
一人旅

一人旅