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メッセージのSCALAのレビュー・感想・評価

メッセージ(2016年製作の映画)
3.7
"この先の人生が見えたら選択を変える?"


突如地上に巨大な宇宙船で飛来した異星人とのコンタクトに挑む言語学者の女性の姿と、"彼ら"から人類へのメッセージを描いたSFドラマ、、、


時間の概念を超越していたり、壮大なSFとみせかけて実はひとりの人間の愛の物語だったというのは確かに「インターステラー」に近いものがある。

母と娘のエピソードというミクロ視点から始まり、未確認生物との交流というマクロ視点を挟んで、最後には死や別れを受け入れたうえでの選択というミクロ視点に再び戻る。

ヘプタポッドの文字や子供の名前だけではなく映画の構造自体も円環のようになっていて、輪廻転生やメビウスの輪を連想した。

さらにそのループのような構造は争いを繰り返してきた人類の歴史についても同じ事が言えるのではないかと思う。

12ヶ国のメッセージを解読しようと世界が結束するなかでの中国やロシアの非協力的な対応の描き方は非常にリアリティーが感じられた。

言語で思考や性格が形成されるなら、もしもそれが世界共通なものに変わったら戦争が起こらない平和な世界になるのか、それとも何も変わらないのかなんてことを考えてしまった。

未来が見えたら違う選択をしてみたいけど、実際には見ることなんてできないから先の事を考えて日々生きていくしかないのかな。

ばかうけに似てると話題になった宇宙船の形に関しては、個人的にはどちらかというとコンタクトレンズを思い浮かべた。
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