ねぎ

メッセージのねぎのネタバレレビュー・内容・結末

メッセージ(2016年製作の映画)
4.7

このレビューはネタバレを含みます

とても興味深い映画だった。
思考回路に程よい刺激とストレスがかかる内容だった。

私たち日本人は母国語として日本語を使い、夢も日本語で見る。
アメリカ人は英語を使い英語で夢を見る。

言語的相対論を説いたサピア・ウォーフによると、言語は思考の基盤であり、言語によって認識や思考が影響されるという。

この映画はその仮説を強烈に飛躍させたSFだ。

ここに異なる進化を遂げた宇宙人がいる。
彼らには時間の概念がないという。
過去にも、今にも、未来にも、”同時”に存在するという。
そんな彼らの使う未知の言語を完全に理解し、使いこなせるようになった時、時間の概念はなくなり、”同時に存在”できるという。

未来の空間でルイーズがシャン将軍と話すシーンは興味深かった。
“延長線上の未来”なら、ルイーズはもちろんシャン将軍の電話番号を知っている筈である。

しかし未来のルイーズはシャン将軍の電話番号を知らなくて戸惑うのである。そして将軍が初めてルイーズに電話番号を教える。

つまり、時間を超えて意識が同時に存在するのである。
未来を思い出したり、過去に伝えたり。
うーん、カオスである🤯

時間の流れを一方向にしか知覚出来ない、3次元思考に生きる私が、時間のない高次元的思考というものを、一瞬だけ理解出来た様な貴重な映画だった。
ねぎ

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