たかあき

メッセージのたかあきのネタバレレビュー・内容・結末

メッセージ(2016年製作の映画)
4.4

このレビューはネタバレを含みます

正に未知との遭遇、と言った映画。

言語も分からず、エイリアンから送られてくるメッセージを必死に解読するというのは斬新で、コミュニケーションの難しさを痛感させられた。

結果彼らが伝えたかったのは、技術・武器の提供云々ではなく、人類皆協力しなさないというメッセージ?

この映画には他にもヒューマンドラマ的ないろんな意味が込められてたと思うので、難解な映画だったが、いつかもう一度観てみたい。

➖再鑑賞後、追記➖

SFを使った哲学的ヒューマンドラマ。
ルイーズとイアンとエイリアンのお話かと思ったら違う。別な主人公が居て、それはルイーズとイアンが結婚した後生まれてくるハンナの物語でもあった。

物語序盤に何回も出てくるルイーズの回想シーンだと思ってたものはミスリードで、回想でもなんでもなくこれから起こる未来の出来事だと知り驚愕。

エイリアンが言っていた武器の提供とは、時間は流れるものでない、という概念。
ルイーズはエイリアンの言語を理解するうちに彼らと同じ時間の概念を修得する。即ち、これから起こる未来を見ることが出来る。

これは恐ろしいことだ。
自分がこれから死ぬまでに起こる出来事全てを見たいか、と聞かれれば自分は見たくないと答えるだろう。病気や交通事故で死んでるかもしれないし、結婚式やお葬式の時でも、分かっていると気持ちが追いつかないだろう。例えば何気なく何か映画を観ても、漫画を読もうと思っても、未来が見えてしまうのだから、全てネタバレになってしまう?

ルイーズは、イアンと結婚しハンナという子を授かるもイアンとは別れることになり、彼女は病死してしまう未来を知っている。にも関わらずイアンのプロポーズを受け入れる勇気と愛に感動した。

未来が見えたら、これを回避することも可能なのではないか?と思う。例えば、イアンとの別れ話を話さない(ハンナが病死することを告げない)とか。
でもこれは避けられない、決まっていることであり、ある意味運命として受け入れざるを得ないのかもしれない所にこの作品の奥深さがある。

そして、ルイーズが中国のジャン上将を説得した言葉は「戦争に勝者は居ない。ただ未亡人が残されるだけ」というものだったそうで…これぞ異星人から受け取りルイーズがたどり着いた世界平和へのメッセージ!(というより上将の奥さんの)
見直すたびに新たな発見がある。深い映画でした。
たかあき

たかあき