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ぼくのエリ 200歳の少女のメッシのレビュー・感想・評価

ぼくのエリ 200歳の少女(2008年製作の映画)
3.9
いじめられっ子の少年とヴァンパイアの交流。

まずスウェーデンの寒々しい雪景色とあまり豊かではなさそうな地域の薄暗さが画面に広がっていて独特の世界観が漂っている。

そこに少年とヴァンパイアの少女?の恋愛模様が入ってくる。大真面目に入ってきて作り上がっていく二人の世界が丁寧に描かれているので全く違和感がなくて染み入る。

吸血鬼は血を吸う、日の光に弱い、感染する?などの基本要素を踏襲しつつ、薄暗いこの世界からの二人の逃避を描いていてこの組み合わせの相性が凄くいい。

エリ=ヴァンパイアはドラえもん的に少年オスカーのピンチにすっ飛んできてくれるのが実に頼もしく、二人の愛が深まる象徴的シーンに感じた。ドラえもん的な明るさは全くないけども。

非常に乱暴なアグレッシブなシーンだったけどラストのプールは痛快だったな〜。

寒々しい静かな画面に驚かす訳ではなく、突如現れるヴァンパイアに目新しさを感じた。そしてその理由に哀しみがあって心に沁みた。

だって前半活躍したエリの相棒的おやっさんの血を得る為の涙ぐましい行動には泣けてくる。

こんな非現実的な設定なのにこのリアリティと説得力。演出が上手いし原作、脚本ともに発想が凄い。
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