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ぼくのエリ 200歳の少女のたいのネタバレレビュー・内容・結末

ぼくのエリ 200歳の少女(2008年製作の映画)
4.2

このレビューはネタバレを含みます

あらすじを確認しながらの感想
重度なネタバレ

初日
主人公オスカーがパンツ一丁で、「豚のマネしろよ。鳴け」というシーンから始まる。主人公がいじめられていることがわかり、この映画は主人公がいじめを克服し成長する物語なのではないかと考える。

エリパパ(役)とエリがオスカーの隣に引っ越してくる。エリは到着するとさっさとアパートの中へ入ってしまい、エリパパがせっせと荷物を運ぶ。
ラッケが立ちションをしながらこれを目撃する。

2日目
学校の授業で、火事の事件について即答する。後で出てくるが、オスカーは殺人事件の記事をスクラップにするという危ない趣味を持っている。普段いじめられているオスカーは、心の中で強気になるために人の殺し方を勉強するという痛い少年だということがわかる。

漏斗とポリタンクを洗う場面。吸血鬼の映画なので、人間の血抜きをするんだろうなーと笑

エリパパは通りがかりの人を襲って血抜きをする。そこへ散歩中の犬がやってきて、焦ったエリパパは血の入ったポリタンクを忘れてしまう。滴る血を犬が舐める。→後のエリとの共通点。

オスカーはナイフを持って中庭へ出て、木に向かって今日の鬱憤を晴らす。振り返るとエリが立っている。

エリパパはポリタンクを忘れてきたことをエリに怒られる。

近所で殺人事件が起きたことで、お母さんから帰宅後は外出しないように言われる。

3日目
喫茶店でエリパパはラッケにご近所の集まりに誘われるが無視する。

オスカーはテレビを見ずエリに会うために中庭へ出る。出た瞬間にエリの家の窓を確認笑
ルービックキューブを持ってエリを待つ。エリが来てオスカーに話しかけるも興味のないふうに返事をする。そして狙い通りルービックキューブでエリの興味を引くことに成功する。
オスカーが本当に中学生っぽくてすごいいい。
オスカーはエリに、「君臭うよ」と言う。これがどういう臭いなのか。吸血鬼的な臭いがあるのかな?

ご近所の集まりで飲んでいたヨッケが、エリに襲われて殺される。
この場面を猫好きのイェースタが家のベランダから目撃する。作品中、猫は吸血鬼に対して攻撃的。猫は犬と喧嘩するからなのかな?よく分からない。
イェースタは近所の人に伝えるが、みんなで確認しにきた頃には死体はエリパパに運ばれた後だった。エリパパは湖氷の下に死体を棒を使って隠す。

4日目
朝、オスカーがジャングルジムに行くと、色の揃えられたルービックキューブが置いてある。
お風呂の中で眠るエリ。吸血鬼だから棺桶みたいなところが一番落ち着くのかな?

オスカーは壁越しにエリとこっそり会話するため、学校でモールス信号を写す。
学校の帰り、いつものいじめっ子に襲われる。
エリにやられたらやり返すように言われる。エリパパはオスカーと仲良くするエリに、モヤモヤする。
実はエリパパは、エリに献身的な恋心を持っているショタコン。

5日目
オスカーはやり返すために体育の先生に特別練習を頼む。

エリはオスカーに貰ったキャンディーを舐めるが吐き出してしまう。それを観たオスカーはエリを抱きしめる。
嵌められていくオスカー笑
ここで、エリは女の子じゃないと告白する。吸血鬼だからという意味かと思っていたけど、後々去勢した男の娘ということがわかる。

6日目
オスカーは別居中のパパに会いに行く。パパはかなりイケメン。

エリパパは、新しい獲物を狩るための準備をする。その際エリに「今夜はあの少年に会わないでくれ」と伝える。
まあ、自分が好きな人のために死ぬ気で頑張ってるのだから、新しい男の所には行って欲しくないだろうな。エリパパ可哀想。

エリパパは学生を狙う。学生なんて友達がいるから一番ダメだろと思うのだが、案の定失敗してしまい、酸で顔を溶かすことになる。若い血の方が美味しいのかもしれない。

エリは壁越しにモールス信号を打つが、オスカーはパパの所にいるので返事が返ってこない。
かなり寂しいシーン。気持ちをなんて表現したらいいか分からないけど、エリの気持ちはわかるし、ざまあみろという気持ちもある。複雑な気持ちになった。

7日目
オスカーは先生の特訓が終わり更衣室に戻ると、自分のズボンがトイレの便器に入れられているのを発見する。オスカーはズボンを履かずに下校する。

エリはニュースで、エリパパが捕まって病院にいることを知る。
エリは病院へ行き、受付の人にエリパパの居る階を聞く。ちなみに、エリは招かれないと建物に入れない特徴があり、この時もしっかり「入っていいよ」と言われている。
エリは壁を登って7階のエリパパの元へ行く。
エリパパは獲物を狩るのに失敗したので、自分の血を吸わせた後、病室から落下して死ぬ。
エリに血を吸われると吸血鬼になってしまうので、吸った後はしっかりと殺さなければならない。

エリは新しい男であるオスカーの所へ行き、窓から入ってオスカーと一緒に寝る。エリはオスカーに付き合うか聞かれ、悲しそうな顔をする。もしオスカーが吸血鬼だと知ったら、自分のことを嫌いになるかもしれないし、そうでなければオスカーを不幸にしてしまう。エリはオスカーを好きになっているので、悲しい結末しか待っていない。

8日目
朝になるとエリは消えていて、置きメッセージがあった。ここでは内容が分からないけど、後々「ここを去って生き延びるか、留まって死を迎えるか」と書いてあったことがわかる。

湖の上でスケートの授業がある。オスカーはそこで、エリパパが死体を沈めるのに使った棒を発見する。これは、エリの相棒がオスカーに移ることの暗示なのか?
オスカーはいじめっ子を棒で殴る。
一方、他の生徒が死体を発見する。

エリは、水泳を練習するオスカーの元へ迎えに行く。かなり顔色が悪い。血が足りてないのかな?

エリと一緒に帰ったオスカーは秘密の部屋にエリを招待する。

オスカーはエリに、いじめっ子にやり返したことを報告する。

オスカーが手のひらをナイフで切り、エリと血の契りをしようとする笑
しかし、滴る血を見たエリは、血が足りてないこともあってか、我を忘れ床をぺろぺろする。ここでエリは犬と似てるなと感じる。
エリがオスカーを見上げる顔が、カットの前と後で変わっている。我を忘れていたエリが、少し理性を取り戻したということかな?エリは走って逃げてしまう。気に登ったエリは、また我を忘れた顔をしている。

ラッケ達は、イェースタの家に集まりヨッケについて話す。そこで、ラッケと奥さん?は喧嘩をしてしまい、奥さんは部屋を飛び出してしまう。ラッケは追いかけるが、奥さんは上から飛びかかってきたエリに血を吸われてしまう。慌ててエリをどかすが、奥さんは吸血鬼になってしまった。

9日目
オスカーは自分の居場所を求めてパパの家を訪れる。(今まではエリがいたが、エリはヴァンパイアだった。)パパと楽しそうにゲームをしているが、パパの友人がお酒を飲みに来る。オスカーは自分の居場所がどこにもないんだと感じ、エリの置きメッセージを見て、エリの家に行くためパパの家を一人で出る。

ラッケの奥さんはイェースタの家を訪れると猫に襲われ、病院に搬送される。猫が怖かった。

オスカーはこっそりアパートに帰り、エリの家に行く。そこでエリにヴァンパイアであることを告げられる。
原子炉が買える金の卵を見せられる。これが何かは明かされない。
中にはこれまでの男から貰った指輪が入っていた。

オスカーはエリの秘密を知り、エリのことを軽蔑したような態度をとる。
ここら辺のオスカーはすごい嫌な奴。

家に帰ったオスカーは、ママと楽しそうに歯磨きをする。←ママはオスカーがパパの所に行っていた事を知らない。
このシーンも上手く言葉に出来ないけど、すごい分かるなと感じた。

10日目
ラッケの奥さんが日光を浴びて自殺する。
オスカーの家にエリが尋ねてくる。オスカーは相変わらず軽蔑した態度をとり、「入っていい」と言わないという意地悪をする。エリは構わず家に入り、目や耳や口から血を流す。オスカーはエリを抱きしめる。
オスカーが、エリに何者か聞くと、エリは「オスカーと同じ」だと答える。
以下会話。
オ「でも人は殺さない」
エ「だけど殺したいと思ってるでしょ。相手を殺してでも生き残りたい」
オ「うん」
エ「それが生きるってこと。私を受け入れて」
オスカーが目をつぶる。エリの顔が一瞬シワシワのおばあちゃんになる。エリはこれまで何人も殺し、自分に恋する男たちを何人も不幸にしてきた。でも、それはエリが生きるためだった。そういうエリの人生にオスカーが思いめぐらしたという描写なのかな。

オスカーはエリにお風呂を貸す。着替えの時覗きをして、エリにおちんちんがないことに気付く。

オスカーは夜、お母さんがしっかり寝ていることを確認して、エリの家に行く。多分家出したんだと思う。

11日目
オスカーはエリの家で目覚める。エリは、「バスルームにいるから開けないで 今夜会える?大好きだよ。エリ」と置きメッセージを残す。

ラッケは最近引っ貸してきたエリが怪しいと思い、復讐をするためエリの家に来る。ラッケはバスルームに侵入し、寝ているエリを発見する。エリの寝息も犬みたい。
ラッケが窓塞いでいるダンボールを剥がそうとしたところ、オスカーが後ろから叫ぶことでエリが目覚め、ラッケに襲いかかる。
口に血が滴るエリはオスカーにキスをする。オスカーの口に血が付く。
しかし、カットが変わると血がついていないのはどういうことなんだろう?本当はキスしてないということなのかな?
つまり、エリはオスカーにキスをしたかったが、そうするとこれまでの男たちと同様にオスカーを不幸にしてしまうので、オスカーと別れることを決断したという描写だと思う。

オスカーが家に帰るとお母さんが激怒している。
エリはここに居られないと引っ越してしまう。

12日目
オスカーはいじめっ子グループの子供にトレーニングに誘われ(罠)、プールに来る。そこへいじめっ子グループとお兄さんがやってきて、3分間潜れれば許すが潜れなければ目を抉り出すと脅す。

オスカーは頭を沈められて潜る。しばらくするとオスカーは引っ張りあげられ、そこにはエリが。水上に出るとお察しの光景に。唯一、顔を塞いでいた子供だけが生き残っていた。

ラスト
オスカーはエリと共に旅をする。
いじめられっ子の成長物語だと思ってたのに、結局これは成長なのか?よく分からない。


全体を通しての感想
テーマが吸血鬼という全く非日常的な話なのに言葉にできない共感があった。中学生の頃こういうのあったなとか、女の子ってこんな感じだよなとか。すごいいい映画だった。
映画のテーマは「人は生きるために他人を犠牲にしなければならない。他人のために心を殺すなんて生きている意味がない」ということだと思う。
僕にはこの映画を見ても、心を殺すべきなのか、それとも自由に生きるべきなのか分からない。
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