茜

溺れるナイフの茜のレビュー・感想・評価

溺れるナイフ(2016年製作の映画)
3.9
山戸結希が足掻き、破天荒にやんちゃをしまくり、やりたいものをめいいっぱい詰め込んだ映画のように思えた。

正直、ナツメがコウちゃんに魅力を感じる描写がもうちょっとほしかったり、役者の口の動きと喋っている言葉が一致していない瞬間や、音質がいきなり変わる度に 気持ちが少し萎えたし、何度か「なぜこのタイミングでこの選曲?」というような大森靖子の曲が流れだすと不思議な思いになったりもした。

だが、これでもかというほどの抽象的なカット、セリフ、描写。
それに見事に答える菅田将暉、食らいつく小松菜奈、一歩間違えたらアンバランスになってしまいそうなほど難しい役を驚くほど自然に演じきった重岡大毅。
この映画は、彼らがいて、初めて成り立つものだったのだと思う。

10代の少年少女特有の煌めき、瑞々しさ、好きな人ができたらもうそれしか見えなくなってしまうまっすぐな無垢な心、時に生々しく痛々しい不安定な精神の表現、その全てを、菅田、小松、重岡の3人が本当に完璧に演じていた。
菅田と重岡の演技力に驚き、小松の泣き顔に心底惚れ惚れした。

ああもう。
コウちゃん。あなたが愛おしすぎるよ。。
茜