Lilly

チリ33人 希望の軌跡のLillyのレビュー・感想・評価

チリ33人 希望の軌跡(2015年製作の映画)
3.5
チリ コピアポ鉱山落磐事故。
10年前の事故だけど、当時世界中が、彼らの生存救出を祈り見守り、記憶に焼き付いてる。

鉱山地底部に閉じ込められた33人、その内の唯一ボリビア人が何かと孤立してしまい、気の毒だった。

食糧が僅かになり、救出作業も難航し暗闇の閉塞感と空腹から、誰からともなくカニバリズムの話も出たり、その1番候補はお前だと揶揄されたり。怖すぎる。

日光も届かず、空気も悪い酷い環境の中、精神的にも、よく耐えたなと思う。

炭鉱会社が膨大な費用の掛かる救出作業に後ろ向きで、結局、政府機関が家族や世論に押されて、ようやく動き始めるあたり、なんとも言えない気持ちになる。

大統領が、救出作業を政権のイメージアップに利用しようとするところもね。

マスコミにより世界に情報拡散されてからは、33人のプライバシーまでも暴かれ、違った意味で良きも悪きも地下の彼らに伝わり、仲間の関係が微妙になったり、利権と私欲と友情の比率が乱れるところが、泥臭かった。
世界各国から届く支援や、スーパー重機と最先端の鉱山専門家等、支えた家族、33人の炭鉱労働者達の希望が、叶って良かった。絶望で自死さえも選びそうになる中、希望(Esperanza)を捨てなかった。
人間のたくましさを、教わる貴重な体験談だ。
Lilly

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