正直視聴中はぼぼ耳元で不協和音を聞いてるような感じでした。
恐ろしく抑圧された家庭。
厳格な家長制度。
弱さを許容しない父親。
口達者で逃げこいばかり得意な次男が父親の物言いと類似点が多いのもぞっとした。
母親が父親との生活に耐えられずパートの仕事をはじめアパートを借りて次男と住み始める2人の所に長男が訪ねるシーンがあるのですが、
のびのびと闊達に話す母親と気乗りしないながらも満更でもない風に喋る次男。
映画の中で唯一肩の力が抜けて平和な空気が流れた。
それだけ父親のプレッシャーが強かったのかなあと。
2人で生活してたら貧しくてもこんな事にはならなかったのではないか？と思いました。
実際にあった事件を参考にしているようですが(特に附属池田小学校事件)原因は歪みすぎた、弱さを許容しない嘘で塗り固めた生活が人を歪めていったのではと思えました。
父親の自転車出勤の際にかかる優雅なクラッシック音楽は異常だった。
1番サイコな父親がタフであるのが恐ろしい。
そんな背筋が寒くなるような恐ろしい出来栄えの素晴らしい映画でした。
でももう絶対みたくない。
