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ミューズ・アカデミーのCHEBUNBUNのレビュー・感想・評価

ミューズ・アカデミー(2015年製作の映画)
3.2
【詭弁コメディ】
本作は正直難解であった。
バルセロナ大学の「神曲」講義をドキュメンタリーとフィクションを合わせて描いたものなのだが、講義がブンブンの通う法政とは比べものにならないぐらい高度で論点すら分からぬまま前半は宙吊りにされた。

しかし、話を噛み砕いて解釈しながら観ると面白さが滲み出てくることが分かる。
教授が「神曲」から、男は○○女は××と言ったステレオタイプな論を展開すると、
女学生から猛反発を食らう。それを、いかにもインテリゲンチャらしく専門用語で言いくるめる詭弁さ。

妻にまで高慢と偏見を指摘するが、なんとかやりこめようとする詭弁さが滑稽に見える。

そして、講義で展開されるミューズ、
所謂、創作におけるインスピレーションの塊である女性観が実態を帯びてくるあたりからドキュメンタリーとフィクションの境目がなくなってくる。

教授が研究や議論と称し、女学生を連れ回す。それを妻に見破られるが、
はたまた詭弁で誤魔化そうとする。

そう、これはインテリの滑稽さを笑い飛ばす映画であった。
授業の内容が分からなくても大丈夫、
寧ろ分からないことにこそ魅力ある作品でした。

と同時に恐らくゲリン監督は参考にしたのではと思う「アメリカ帝国の滅亡」を観たくなった。

ちなみに余談だが、
本作の舞台となったバルセロナ大学は以前訪れたことがあり懐かしさを覚えた。
荘厳な建物で100年前のエレベーターとかあって雰囲気はいいところですよ。
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