全ての能力が遺伝子によって決められる世界。
受精の段階で遺伝子を操作し、身体能力は当然として病気から推定寿命まで知る事ができるとはとんでもないですね。
しかし裏を返せば遺伝子操作せずに産んでもその能力も寿命も最初から知ることができるということで。
最初から自分が駄目な存在と知りながら生きる苦悩ってどれほど苦しいものなのか……。
主人公ヴィンセントはその苦悩を抱えた一人。
しかしそんな苦悩があろうと人生は遺伝子だけで決まるものではないと強く教えてくれます。
いかに遺伝子が優れていようと上手くいくとは限らないし、逆もまた然り。
不確定要素に満ちた人生を可能性に満ちた人体でもってヴィンセントが夢を追いかけるドラマ。
身分を隠しながら生きるヴィンセントにハラハラし、切ない友情に心を揺さぶられました。