くじら

ガタカのくじらのレビュー・感想・評価

ガタカ(1997年製作の映画)
3.7
日々頼りにしている友人に「曲線っぽい90'sくらいのSFを見たい」と相談したらオススメしてくれた本作。

全ての構造物、遠景からのショット、コンクリートが打ち返す太陽光、そのすべてが今ちょうど美味しく食べたいもので最高だった。

「差別はもはや科学の領域」という作中セリフが表す通りの世界だが、単純な二項対立にならないキャラクター配置が絶妙。
結局全員に肩入れしてしまい、最後は「バカっ…!!お前ら……!!全員抱きしめてやるからな……!」みたいな形相になり。

社会構造のやるせなさや主人公の置かれた「劣勢の人生を歩まざるを得ない運命」とは裏腹に、2人のジェロームが紡ぐ信頼は拙く可愛らしく、それがこの映画全体のリズムを予定調和からズラしてくれる。

みんな大好きだよ、瞳はそれぞれの夢の色をしていようね。
くじら

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