日々頼りにしている友人に「曲線っぽい90'sくらいのSFを見たい」と相談したらオススメしてくれた本作。
全ての構造物、遠景からのショット、コンクリートが打ち返す太陽光、そのすべてが今ちょうど美味しく食べたいもので最高だった。
「差別はもはや科学の領域」という作中セリフが表す通りの世界だが、単純な二項対立にならないキャラクター配置が絶妙。
結局全員に肩入れしてしまい、最後は「バカっ…!!お前ら……!!全員抱きしめてやるからな……!」みたいな形相になり。
社会構造のやるせなさや主人公の置かれた「劣勢の人生を歩まざるを得ない運命」とは裏腹に、2人のジェロームが紡ぐ信頼は拙く可愛らしく、それがこの映画全体のリズムを予定調和からズラしてくれる。
みんな大好きだよ、瞳はそれぞれの夢の色をしていようね。