Masato

ガタカのMasatoのレビュー・感想・評価

ガタカ(1997年製作の映画)
4.3
一人鬱映画 第17弾

鬱ランク D-

これまたあまり鬱映画じゃない^_^;
けど、物悲しい雰囲気が凄まじい。

血で人を選ぶ近未来。不健康な体で生まれた主人公ヴィンセントは、社会の不適合者となる。遺伝子操作で生まれたパーフェクトな弟と過ごしながらも、彼は必死に夢を追い求める…

みんなが後味悪いっていうのは、恐らくどうあがいても変えられない運命だからだと思います。遺伝子は生まれた時に決まる。だからこそ、社会において差別されながらも必死に夢を追い求める姿が、哀れに見えてくるのでしょうね。

人種を近未来設定に置き換えたようなものであり、SFとはいえどメッセージ性は「人種差別」という、かなり現代における社会性のあるものです。

前述の通り、この映画で言う遺伝子、現代における人種や肌の色などは変えられない。
マイケルジャクソンが白い肌にしたが、それも完璧には変えられず、完璧な白人になんてなれない。

遺伝子や人種、肌の色で相手を決めつけていいのか。
そこで、もう一つのメッセージ「可能性」
いくら社会で底辺だと決めつけられていても、「可能性」と「夢」を追い求める力さえあれば、社会でトップに躍り出ることさえできるかもしれない。例えそれが巧妙な偽装であっても。

そうして映画「太陽」同様に、人間らしさというものがこの映画で浮かび上がってきます。

完璧な人間こそが、人間の本質なのか?

欠点があって、失敗して学んでいく。これこそが人間らしさだ。

(そう思うと、欠点が9割を占める僕が可能性の塊に見えてしょうがない!)


鬱映画ではなく、ひたすら前向きになれるような気がする映画でした。
Masato

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