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ケンとカズのDONのレビュー・感想・評価

ケンとカズ(2015年製作の映画)
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欠けている不完全な者同士がひとつになることで、はじめて人間として「完成」するという神話的な原型構造。
作り手はそこからさらに一歩踏み込んで、不完全な人間の虚や愚かさを真摯に見つめている。
ナ・ホンジンやタランティーノらのサスペンスやバイオレンス演出の影響を受けつつ、小路監督作品の中心にあるのは常に「人=名前」だ。運命と人間を描きながら、運命の側に与することなく、常に人間の側につく。「人を疎かにしない」という一貫したその姿勢。
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