ダビンチ

走れ、絶望に追いつかれない速さでのダビンチのレビュー・感想・評価

3.7
今年「私は光をにぎっている」、来年「静かな雨」の2本ともとても楽しみな作品の公開が控える中川龍太郎監督作品。
特に何か大きなことが起こる訳でもなく、主人公が亡くなった友人の残した1枚の絵をきっかけに自分の避けていたことを考え直すという内容を淡々と描いているだけなんだけれど、ワンシーン、ワンシーンがとても丁寧に作られているので観やすかったです。
たまに映る街並みのインサートとか屋上の朝日が昇るシーンとかとても綺麗に切り取られているし、部屋で2人でトマトを食べているシーンとか太賀がご飯を食べながら涙を流すシーンとか好きなシーンがたくさんある作品でした。
よく言われる、亡くなってからその人のことをもっと知りたいと思ったり、その人のことを全然知らなかったんだと気付かされたりする。
何か明確な答えが提示される訳ではないけれど、だからこそ人生は面白いのでは。
そして太賀さん、演技凄すぎ。
1つ1つの表情とか仕草とか、表現の幅が凄かったです。
あなたは本当に素晴らしい俳優さんだ。
タイトルのセンスも素晴らしい。
ダビンチ

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