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HiGH&LOW THE MOVIEのSQURのレビュー・感想・評価

HiGH&LOW THE MOVIE(2016年製作の映画)
1.0
面白くない。
戦闘パートとそこに向かうための説明パートがあるが、どちらも成功しているとは思えない。
まず、説明パートは早い話が「琥珀さんが海外マフィアとつるんで九龍グループに復讐する。その前哨戦としてSWORDに喧嘩をふっかけてきた」というただそれだけの話を説明する”だけ”。つまり、前半部においては、ほとんど抗争間での勢力構造に変化が起きない。いわば、”物語”がない。
次に、戦闘パート、こちらもあまりうまくいっているとは思えない。まず、戦闘にメリハリがない。つまり、どちらが勝っているのか負けているのか分からず、観ているとただ殴り合っているだけで、非常に退屈。さらに、ここのキャラクターが戦闘に入るにしたがって、どんどん没個性になってしまっている。せっかく幾つかのグループに分かれているのだから、戦闘スタイルを見るだけでどこのグループなのかわかるようにして欲しかった。次に、”感情”や”工夫”と”戦況”がつながっていない。面白い戦闘シーンというのは、工夫や心境の変化によって、戦況が左右されることによって描かれる。しかし、先にも言ったようにこの映画では、戦況の優勢劣勢がまるでわからないので、そういった戦闘シーンの醍醐味を楽しむことができない。極め付きは、クライマックスシーンだ。というのも、琥珀さんを説得するのが、クライマクスシーンな訳だが、非常にくどい回想によってそれがなされる。このシーンはむしろ、拳か、少なくとも言葉や小道具によって魅せるべきシーンであったように思う。
そして、全体的に見ても、なぜ「琥珀さんが九龍グループに復讐するために海外マフィアとつるまなくてはならないのか」は分からず、初めからSWORDとつるめば良い訳で(戦力はほぼ互角のようだし)その方が仁義も通っているように見える。ここの”矛盾”が致命的であり、ただでさえメリハリのない戦闘シーンが、もはやなんのために戦っているのさえも分からなくしてしまっている。
2以降は評判がいいようだけれど、この1を観て続きをみたい!とはならないなあ。
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