Maoryu002

バジュランギおじさんと、小さな迷子のMaoryu002のレビュー・感想・評価

4.2
パキスタンの山奥に住む少女シャヒーダーは生まれつきしゃべれない。国家間が対立しているインドで母親とはぐれたシャヒーダーはインド人のパワンに出会い保護される。パワンはシャヒーダーを母親のもとに返そうと奔走し、命を懸けてパキスタンに不法入国して彼女の母親を探そうとする。

パワンの性格の真っすぐさ、パキスタン警察の暴力、人々の反応、すべてが「やり過ぎ」なんだが、それが許せて感動しちゃうところがインド映画のいいところだ。
途中で筋書きもラストも完全に読めるんだけど、やっぱり最後は泣いちゃってる自分がいる。

「LION/ライオン 〜25年目のただいま〜」を思い起こすような鉄道の場面から前半の「インド編」がスタート。前半は恋あり歌あり踊りありの、インドらしいインド映画だ。文化や宗教の違いがしっかり理解できるあたり、世界を意識して製作されていることがわかる。
後半の「パキスタン編」はロードムービー調の場面は楽しいが、ややシリアスな国同士の対立や暴力が前面に出てくる。2時間40分あるが、飽きないように大きく展開して雰囲気が変わるように作られているし、ラストの感動をより盛り上げるように仕込まれている。

世界を意識して進化し続けるインド映画だが、「pk」を始めとして、国や宗教の違いや対立を題材にしている作品が意外なほど多いことにも感心する。
古く保守的な人が多い先入観があったが、どんどん新しい波が生まれているのだろう。
映画も国も注目し続けたい。
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