Kumonohate

牝猫たちの夜のKumonohateのレビュー・感想・評価

牝猫たちの夜(1972年製作の映画)
4.0
ロマンポルノの72年作。リブート版の「牝猫たち」(来年1月より上映)も良かったが、それにオマージュを捧げられているご本家のこちら、実に素晴らしい。新宿で働く3人のトルコ嬢(現:ソープ嬢)の人間模様を描いた群像劇(とはいえ、比重としては、そのうちの1人の話がメイン)だが、情感というか何と言うか、とにかく良い。

そもそも、ロマンポルノ作品って、「良いな〜」と思ってそのことを書こうと思っても、なかなか文章にするのが難しい(書くのが憚られるという意味では無く)。作品の性格上、ロジックよりは感覚とか感情が前に来ているからだろうか、それとも自分の筆力が乏しいせいだろうか、理由はよくわからないが、とにかく難しい。だから、本作の良さについても、既存やら既成やらオモテやらに対比(平行?)する “何か” が良いのだとは思うが、それ以上具体的に表現できない。「ラストシーンにおける新宿東口の朝の始まりを描いた一連の情景に感動させられてしまうような、それまでの積み重ねが素晴らしい」としか書けない。
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