ヒロ

コインロッカーの女のヒロのレビュー・感想・評価

コインロッカーの女(2015年製作の映画)
3.4
違う。求めていたものと違う。
めちゃくちゃ期待してただけにショックでした。

コインロッカーに捨てられた赤ん坊が行き着いた先は仁川の裏社会。捨てられたロッカーの番号にちなんで、少女の名前はイリョン(10番)。少女は残酷すぎる現実を受け入れるしかなかった。成長した彼女に人間らしさはない。しかしある日、刹那に触れた優しさが彼女を変える。

この神設定ね!!!
それに加えキム・ヘス!!!
韓国映画界の兄貴がキム・ユンソクならば、姉貴はキム・ヘス。
そんな彼女が仁川の裏社会を仕切る女ボス!やっべぇーぞ笑。
スレンダーなイメージがあった彼女が、今作では役作りのためかパーツが全体的に2ランクぐらいぼてっとしてた。歩き方、足の組み方、タバコの吸い方、いやぁ〜お見事!一生ついて行きますわ笑。

イリョン役は『その怪物』でキーキー喚いてた、キム・ゴウン。あの幸薄い顔での無表情は痺れる。でも、キム・ヘス姉さんが凄すぎて霞むよね笑。よかったけど!

悲しい過去を持つ主人公が大事な存在のために奔走するというプロットが好物でして、まさに今作は大好物のはずだった。
『アジョシ』では、韓国ノワール+隣人の少女(亡き娘に重ねて)。
『新しき世界』では、韓国ノワール+兄弟愛と正義の狭間での葛藤。
『サスペクト 悲しき容疑者』では、韓国ノワール+亡き家族のための復讐。
混ぜるもの同士がお互いにお互いを高め合う相乗効果があったので傑作となった。
設定としては上の3つを凌ぐレベルの神設定だったんですけど、混ぜるものを間違えた。
今作は韓国ノワール+恋愛。見事にお互いがお互いを相殺。プラマイゼロでむしろマイ笑。
そこから、イリョンの築き上げてきたものが音を立てて崩れていくんですけど無理矢理感がもの凄い。そして、狙いすぎのラストシーン。監督のドヤ顔が見えましたよ笑。このオチに中盤で気付いてしまった。ショック。

韓国ノワールと言えば、惨殺シーンですよね!
これも全部見たことある笑。
ほとんど『新しき世界』で観たわ笑。ショック。

最悪なことに隣の席のやつが若干酔ってるという。座り直すときにドンドンしだす、ビニール袋をカシャカシャしだす、小声で喋り出す…………。酒弱いくせに映画館でハイボールとか飲むなや笑。とにかく、こいつをセメントで固めたかったです笑。韓国映画ネタ笑。

ちなみに『最後の約束』はキム・ヘス姉さんが超輝いてます。
でも、今作はキム・ヘス姉さん史上最大のハマリ役。その分ショック。

今年一期待してただけに、今年一ショックですよ。

【未体験ゾーンの映画たち 2016】

2016-45
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