生まれてすぐコインロッカーに捨てられ、闇金を営む母さんと呼ばれる女性の元で育ったイリョン。
彼女のボーイッシュな美しさの中でも特に目を引くのは、どこか冷めていてでも悲しみが映る一重の目。
その目を可愛らしく丸くし、明るい光が宿ったのは彼女が初めて恋をしたとき。
しかしその初恋が、闇金疑似家族との関係を危うくしていく。
疑似家族といえども食事シーンや兄弟との掛け合いなど、どこか温かみを感じるものを見ているから、それが崩れていく様を見るのはとても辛くて痛い。
そしてイリョンの初恋の男の子が、横顔と女子への距離感の詰め方のうまさが、昔好きだった高木くんにとても似ていて個人的にますます苦しい。
母さんからの最後の贈り物は、愛情の証だったのかそれともイリョンを捉えて離さない鎖だったのか。悲しい歴史は繰り返されていく。
でも第二の高木くんのような青年は出てこないことを祈らずにはいられませんでした…笑
212/2016